イラストの仕事を受けるときに気をつけるべきことはありますか?
トラブルにならないために必ず確認しておいたほうが良いこと、
次の仕事につながるコツなどあれば知りたいな。
イラストレーターは、クリエイティブな仕事のようですが、
商業的な面もかなり大事にしなければいけないという、
特殊な職業です。
仕事を受けるときの契約内容には、よく気をつけていきましょう。
あなたが損をしないためにももちろん大事です。
しかし、それだけではなく、
トラブルに巻き込まれたり、
損害賠償が絡んでくるようなことは
絶対に避けたいですよね。
イラストレーターという仕事は、
あなた自身にそのつもりはなくても、
いつのまにかトラブルにつながってしまう、という可能性もじゅうぶんあるんです。
きちんと知識を身につけて、
常日頃から自衛につながる選択をしていかなければいけません。
主に一般消費者向けにビジネス展開をしている
少し特殊なイラストレーターです。
法人のお仕事も経験がありますが、
一般の個人の方を相手にビジネスしているからこそ、
自衛するためのポイントを身をもって学習できた部分も大きいです。
この記事では、法人向けと個人向け
それぞれのポイントを押さえて解説していきます。
こんな方におすすめ
- トラブルを予防して、安心安全に仕事をしていきたい人
- 相手と対等な立場で、お互いに敬意をもってwin-winの仕事をしていきたい人
- イラストレーターとしての権利や尊厳を守っていきたい人
あなたとあなたのイラストの尊厳を守ることももちろん大事なのですが、
あなた自身がイラストレーターとしての
ボーダーラインを満たしているかどうかも
大前提として大事ですよ。
例えば
Adobe Illsutratorが満足に使えるかどうか
なども大事なポイントです。
なぜなら、Adobe Illsutratorはイラストレーターとして
必須のスキルなので、
これが満足に使えないと、クライアントの指示通りに
データを送れないという可能性があるからです。
考えてもみてください。
指示通りにデータを送ってくれないのに、
権利ばかり主張してくるイラストレーターがいたら
どうでしょうか?
相手の心証も悪くなってしまい、
次の仕事に繋がらなくなってしまうかもしれませんよね。
イラストレーターとしてあなたの尊厳を守るためにも
まずは、あなた自身がきちんと、
クライアントの指示に応えられるイラストレーターになることも
大前提として重要なことなんです。
もしAdobe Illsutratorが満足に使えない、自信がないという場合は
学習しておくことがおすすめです。
その上で、仕事を受けるときのポイントも
押さえてくださいね。
詳しくは、イラストレーターは食えないからやめとけ?生活が厳しくなる前にできることでも
必要なスキルをお伝えしているので
併せて読んでみてくださいね。
仕事を受けるときに確認するポイント【法人ver.】
まずは一般的なイラストレーターのお仕事のポイントについて解説します。
クライアントが法人の場合ですね。
クライアント一例
- 出版社(雑誌の挿絵、本の装丁などのお仕事)
- デザイン会社(パッケージやポスターなど多岐に渡る)
- 広告系(ポスターや動画など多岐に渡る)
仕事の流れとしては、
- とある企画が立ち上がり、イラストな必要になる(案件発生)
- 担当者が案件に合いそうなイラストレーターを見繕う
- 条件が合うイラストレーターに依頼される
- 双方の合意がとれれば無事契約
というのが一般的です。
企画がある程度まとまってからイラストレーターに
話が回ってくることがほとんど。
(一般的な流れなので、すべてというわけではありません)
なので、依頼が来てから納品まで
あまりスケジュールの余裕がない場合もあります。
確認1:仕事のボリュームとスケジュール
一般的には、仕事の依頼が来てから納品まで
あまりスケジュールの余裕がない場合も多いため
最初に仕事のボリュームとスケジュールを確認しましょう。
依頼のイラストを、先方のスケジュール通りに納品できることが
大前提となります。
そのとき抱えている他の仕事との兼ね合いもふまえて、
きちんと作業時間が確保できるかどうか
確認してくださいね。
確認すること
- 納品のイラスト点数と、1点あたりのボリューム感・サイズ感
- 納品形態(データ形式)
- 依頼の詳細をもらえる日
- ラフの提出日
- 最終締切日
- 報酬支払日
どのくらいの時間がかかるのか考慮した上で、
始めにスケジュールに組み込んでおきましょう。
細かいことのようにも思えますが、
スケジュール感がわからない場合、
同時期に他社から仕事のお話をいただいても、
スケジュール的に受けていいのかわからなくなってしまう、ということも…。
そのときのチャンスを掴むためにも
スケジュール管理を徹底することも重要になってくるんです。
確認2:報酬金額を確認するときの注意点
いちばん気になるところは報酬額ではないでしょうか?
報酬の一例
- 雑誌の挿絵:数千円〜。
- 本の装丁:十万円〜。挿絵も含めて数十万ほどになることも。
- 広告関係:数十万〜。規模・媒体によっては百万単位になることも。
※あくまで一例なので、これが必ずしも相場というわけではありません。
※条件などにより、報酬の相場感は変わってきます。
報酬といっても、
単純に「このイラストに対して◯◯円」ということを
確認すればいいわけではありません。
どのようにイラストが使われるかで、報酬は大きく異なります。
また、報酬額が左右されるというのは、
使われ方次第で報酬が上乗せされる場合もあるということ。
イラストレーターとしての権利を守るためにも、
ていねいに確認していきましょう。
確認すること
- 掲載される媒体と企画名
- 納品される内容・点数に対する報酬額
に加え、
- (広告の場合などは)競合他社での仕事を一定期間、禁じるかどうか
- どのくらいの期間使われるものか
- 当初の使用予定の他に、二次利用する予定はあるか
ということも報酬に大きく関わるので
必ず確認しましょう。
- 一定期間、競合他社での仕事ができない場合(いつまでか)
- 5年・10年など、長期間にわたり使用される場合(どのくらいの期間か)
- 二次利用される場合(どの媒体にどのくらいの期間使用されるか)
に関しては、程度に応じて代金をいただきます。
- 一定期間、競合他社での仕事ができない場合
→期間中、競合他社で仕事ができない補償を上乗せしてもらいます。 - 5年・10年など、長期間にわたり使用される場合
→1年契約・5年契約・10年契約など、規模に合わせて契約期間を決め、
更新時に料金を上乗せしてもらうなどの交渉ができます。 - 二次利用される場合
→二次利用される媒体に応じて、流用費をいただく交渉をします。
(※ただし、一次利用で載せた媒体の広告・宣伝のための流用は、流用費をもらわないのが一般的です)
※あくまで一例ですので、必ずしもこの通りに交渉するというわけではありません。
クライアントの予算を上回る交渉は、仕事が流れてしまう可能性もあります。
(逆に、割に合わない内容だったら、あなたからお断りすることも時には必要です)
「□□の条件の場合は◯◯円」という決まりがあるわけではないので、
クライアントの予算をふまえたうえで、
クライアントとの交渉次第で決まります。
(先に予算を伺うと良いですね)
つまり、正解がないので、
常に臨機応変に対応していかなければいけないということです。
「この内容に対してこの報酬が妥当なのか全然わからない」
ということも多いかもしれませんね。
不安な場合は、
最前線で活躍しているイラストレーターやフリーランスの方に
相談してみてください。
イラストレーターの団体や
フリーランスのコミュニティなどに所属しておくと、
活躍するフリーランスの方とのつながりができたり、
相談できるチャットや窓口がある場合もあるので、
おすすめです。
私も、イラストレーターの団体や
フリーランス専用オンラインサロンなどに所属しています。
自分だけでは判断できないことを相談できる窓口があるのは、
心強いですよ。
確認3:絶対にやってはいけないこと
仕事を受けるうえで、絶対にやってはいけないことが1つあります。
それは著作権譲渡です。
著作権だけは絶対に譲渡してはいけません。
今でこそ「著作権」に対する認識が一般的にも広がってきたので、
「著作権譲渡」を求めてくるクライアントは減ってはきていますが、
ゼロではありません。
万が一、著作権譲渡を求められた場合は、
リスクが大きすぎるので、ていねいにお断りしてくださいね。
著作権譲渡することで考えられるリスクは
多岐にわたります。
著作権とは、あなたの作品であるということを主張できる権利なわけですから、
それを譲渡してしまうというのは、
あなたの作品だということを主張できなくなってしまうということ。
たとえ、
公序良俗に反する使い方をされても文句が言えないんです。
万が一、悪質な業者に公序良俗に反する使い方をされてしまったらどうでしょうか?
第三者から見たら、
あなたがその公序良俗に反する仕事を受けたと捉えられ、
あなたの品格を落としかねません。
今後の仕事に関わってくる可能性も
じゅうぶんにあり得るんです。
「そんな悪質な人(業社)には著作権譲渡しなければいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、著作権を譲渡してしまった以上、
それを転売・転用される可能性もじゅうぶんにあるんですよ。
めぐりめぐって
悪質な業者などに行き着いたら危険ですよね。
また、それ以外にも、大きな損害につながるケースもあります。
たとえば、あなたが広告関係のイラストを納品して、
一定期間、競合他社での仕事を禁じられたとします。
ですが、以前、著作権譲渡をしてしまったイラストが、
その一定期間のあいだに、競合他社に使われてしまったらどうなるでしょう。
場合によっては損害賠償問題になることも、
なきにしもあらず…
なんです。
なので、絶対に著作権譲渡には応じないようにしてください。
「著作権譲渡に応じないことで、仕事が流れてしまったら?」
と、心配する人もいるかもしれませんね。
ですが、よほどのことがない限りは、
ていねいに説明すれば仕事が流れることは少ないのではないでしょうか。
クライアントが著作権譲渡を求めてきた場合、
何かしらの理由がある場合がほとんどです。
著作権を譲渡しなくても、その“理由”に応じられる契約内容にすることはできることもあります。
万が一、ていねいに真摯に説明しても、
あなたが著作権譲渡に応じないことで、仕事が流れてしまった場合は、
もしかするとその会社は、イラストレーターや下請け業者のことを尊重しない会社である可能性が高いので、
(あくまで可能性ですが)その場合は、仕事を受けなくて正解だったと私は思います。
(もちろん、条件や報酬などにより一概には言えませんし、
仕事内容により著作権譲渡の必要がある場合もあるかもしれません。
ですが、その場合も、ただ言われるがまま譲渡するのではなく、
きちんと条件や起こりうるデメリットなどを確認し、
長期的にみてあなたの不利益にならないような契約にしましょう)
書面を交わしておくこと
お仕事を受ける上で、条件がまとまったら、
必ず契約内容を書面を交わしておくのがおすすめです。
書面でサインをもらっておけば、
あとからトラブルになることも最大限防げるはずです。
たとえば、書面を交わしておくことで
- 報酬は同じだが、イラストのカット数が増える
- 追加料金なしで他の媒体に勝手に二次利用される(※一次利用媒体の宣伝・広告のための流用は除く)
- 追加料金なしで5年〜10年単位で長期に渡り、使用される
などのトラブルも防ぐことができます。
万が一、そのようなトラブルにあったとしても、
書面を交わしておくことで、
スムーズに料金を請求できますよ。
書面というと、
紙媒体で手書きのサインを交わすイメージが強いかもしれませんね。
ですが、最近では、
マネーフォワード クラウド契約など、
web上で書面を交わすことができるサービスもあります。
こうした電子契約の方が
お互いの業務負荷を減らせることもあり、
先方の心証が良くなる可能性も◎
なので、ぜひ取り入れましょう。
マネーフォワード クラウド契約であれば、
個人契約で、月800円(年額プランの場合です。月額プランは980円/月)から登録できます。
件数無制限で使用できるので、
紙媒体の書面を郵送などで交わす手間や郵送費などを考えると、
電子契約の場合は、クリックひとつで契約ができ、
件数が増えても定額なのは
ありがたいですよね。
まだ電子契約の登録が済んでいない場合は、
早めに登録しておいてくださいね。
お仕事の依頼が来てから登録して
それから契約書などを準備するのは、
バタバタして見落としなど発生してしまう可能性があります。
巡ってきたチャンスを、すぐに掴めるようにしておく準備として大事なんですよ。
まだお仕事が安定していない方は、登録だけしておいて、
お仕事がない期間は有料プランのみ解約しておくのも良いでしょう。
(お仕事をいただいたときだけ有料プランを契約するなど)
また、書面を交わす際には、
もう一つ大事なことがあります。
必ず、今回のお仕事で納品したイラストを、仕事歴としてポートフォリオやSNSに載せますよ
という旨も合意をとっておきましょう。
本来であれば、
著作権を所有するあなた、つまりイラストを制作したあなたは、
作品をポートフォリオなどに載せる権利を持っています。
(著作権法で保障されている作品の公表権、氏名表示権)
次の仕事につなげるためにも
納品した実績は、ぜひポートフォリオやSNSに載せていきたいですよね。
しかし、クライアントの会社の都合により、
納品したイラストを公開してほしくないなどの
事情がある場合も。
あとになって、ポートフォリオに載せる、載せないで、
揉めることになってしまっては、
心証も悪くなりますし、
あなた自身も消耗してしまいます。
事前に契約書で合意をとっておくのが得策です。
仕事を受けるときに確認するポイント【個人ver.】
一般的なイラストレーターのお仕事としては、
出版社などの法人がクライアントになる雑誌の挿絵などが
イメージにありますよね。
でもそれ以外に、個人向けのお仕事という
フィールドもあるんですよ。
個人向けの仕事とは何があるでしょうか?
個人相手の仕事の一例
- イラスト入りのTシャツやスマホケースなどのグッズ(自主販売)
- 結婚式のためのウェルカムボード用の似顔絵
- プレゼント・お祝い用の似顔絵
- フリーランス向けの似顔絵入り名刺
- インテリア用のイラスト
個人向けは、
売ればお仕事になりますので、内容は自由ですし、
他にも多岐に渡ります。
minneなどのハンドメイドサイトや、
ココナラなどスキル交換サイトで、
気軽に似顔絵やイラスト入りグッズを販売している人も多いですよね。
ただ、ハンドメイドサイトや、スキル交換サイトなどは
(ごく一部のトップ売上の人を除き、)
一般的には、価格が安い印象がありますよね。
趣味程度、お小遣い稼ぎ程度にやっている人も多いかもしれませんし、
そういうイメージを持っている第三者も多いでしょう。
なので、あまり興味を持てない方も多いかもしれませんが、
ちょっと待ってください。
私は主に個人向けにイラストを納品していますが、
きちんとブランディングをしているので、
1件あたり10数万〜20数万ほどの金額で、
月平均3~7件ほどのお仕事をさせていただいています。
(多いときは10件ほどになることも)
やりがいもあるし、しっかりとした収入を得られていますよ。
とはいえ、
法人仕事の広告関係の案件のように、
1件で100万円単位の仕事などは、
個人向けにはなかなか難しいかもしれません。
(内容にもよりますが)
ですが、
法人のお仕事の依頼がなかなか無い、安価な案件ばかりと悩むくらいなら、
個人向けの仕事にシフトすることも視野に入れてみるのも
考えてみてくださいね。
ちなみに、
私が稼げるようになった方法については
イラストレーターになって0から稼ぐ方法|主婦でも月収50万達成した私が解説で
まとめています。
今の仕事の仕方に悩んでいる人や、
この先が不安な人にとっては、新しい選択肢になると思うので
あわせて見てみてくださいね。
ポイント1:契約内容と金額を決める
個人向けのお仕事は、法人のクライアントとは
根本的にちがうということを理解しましょう。
相手は個人なので、
イラストの依頼についての方法・マナーを知らないことがほとんどです。
- エンドレスで修正指示をしてきたり
- 途中で、すべて描き直しになるような修正をお願いされたり
- 報酬を支払わずに連絡がつかなくなったり
法人のお仕事では、めったに無いようなトラブルが
当たり前のように発生すると思ってください。
「え、そんな仕事したくないんだけど…」
と最初は思ってしまうかもしれませんが、大丈夫です!
対策をしていけば心配ありません。
あなたとっては、非常識に思えるような行動でも、
相手は、イラストの依頼についての方法・マナーを知らず、
まったく悪気がない場合も多いんです。
なので、あなたがリードする形で
ルールや契約内容を決めてあげれば良いだけのこと。
- 修正は◯回まで
- 大幅な修正は追加料金がかかる
- 全額先払いにしてもらう
(途中キャンセルの場合は支払額の◯%のキャンセル料をいただく)
など、想定できるトラブルを防止するルール・契約内容を
あなたが主導で最初に決めておきましょう。
(あなた主導といっても、
もちろん相手にとってもwinのある内容でなければいけませんが)
相手にあらかじめ合意をとっておけば、
修正指示が多かったり、大幅な修正を求められるなどのトラブルが防げます。
万が一、修正指示が多かったり、
大幅な修正を求められれた場合でも
追加料金をスムーズに請求することができます。
また、金額に関しても、
相手は個人なので、相場の価格帯を知らないことがほとんどです。
なので、予算を聞かなくても大丈夫です。
むしろ安い金額を提示されることがほとんどなので、
予算は聞かない方が得策です。
(例えば、最低でも3万円くらいは欲しい内容のものを
「予算3,000円」と言われても困っちゃいますからね)
どうするかというと、
あなたが主導で金額を決めてあげましょう。
逆に言えば、あなたの言い値で仕事ができるというのが
個人向けのお仕事のいいところです。
ポイント2:希望内容と納品スケジュールを確認する
個人が相手のお仕事の場合は、
イラストの納品までのプロセスも根本的にちがいます。
法人の案件の場合、
すでに決まった案件があり、どういうイラストが欲しい、
という明確な指示がある場合がほとんど。
ですが、個人向けの場合、
相手は「どんなイラストを描いて欲しいか」ということが
はっきりしておらず、明確な指示ができない場合も多いんです。
なので、相手がどんなイラストを求めているか、ということを
きちんとヒアリングすることが要となります。
- どんな目的で使うイラストなのか(贈呈用?自分用?など)
- どんなモチーフを描いて欲しいのか(人物/ペット/景色など)
- 好みのカラーはあるか(パステル系など)
- 好みのテイストはあるか(可愛い系?かっこいい系?)
などをしっかり聞いた上で、
相手の意図を汲んで、より良い提案などもできると喜ばれます。
ちなみに、
「著作権」に対する認識が一般的にも浸透してきたとはいえ、
まだまだ認識が甘い人も多いです。
当たり前のように
「ス◯ーピーを背景に描いてほしい」
「ド◯えもんを絵の中に入れてほしい」など
版権のあるキャラクターを依頼してくる人も少なくありません。
著作権侵害にあたるイラストは制作できない旨を
あらかじめ伝えておいてくださいね。
(著作権侵害をして、
のちのち困るのはイラストレーターのあなたです。
どうしても描いて欲しいと食い下がる人も中にはいますが、
その場合は、お仕事自体をお断りする勇気も大事ですよ)
希望内容がまとまったら、制作にかかる時間を考慮した上で、
納品スケジュールを設定しましょう。
もちろんあなた主導で、スケジュールを決めます。
いつまでに納品してほしいなどの期限があれば、
それも考慮してくださいね。
ポイント3:必ず合意をとっておくこと
法人のお仕事と違って、
個人の方は、イラストの著作権に対して
認識が甘い人も少なくないことは
すでに説明しましたね。
著作権を譲渡した覚えがなくても、
あなたが納品したイラストが、
転用・流用されたり、転売されることもじゅうぶんにありえるんです。
それを防ぐためにも、
個人相手の場合でも書面を交わすことを忘れないようにしてください。
- 著作権はイラストレーターである自分に帰属すること
- 他の媒体や企画・案件などに流用・転用することは禁止
(最初にヒアリングした目的以外に使用することは禁止にしましょう) - 他の人に転売することは禁止
- 公序良俗に反するものや著作者の名誉を貶めることに使用することは禁止
- イラストを勝手に改変することは禁止
などの旨を明記し、あなたの著作権を守るための契約を
書面で交わしておきます。
また、法人の場合と同様に、
ポートフォリオやSNSへの掲載について
のちのちトラブルになってしまったら消耗してしまいますよね。
なので、契約内容には、
ポートフォリオやSNSに載せることも明記し、
合意をとっておいてくださいね。
また、個人相手の場合だと、紙媒体の契約書をめんどうだと
思う人も多いです。
法人とちがって、契約書がなかなか返ってこずに、
仕事が流れてしまうことも想定できます。
なので、電子契約を活用するのがおすすめ。
まとめ:イラストレーターの尊厳を守るためにやるべきこと
イラストレーターのお仕事は、
クリエイティブではありますが、トラブルに巻き込まれないために、
きちんと先を見据えて自衛することが大事です。
また、あなた自身の権利を守るためにも
契約内容はしっかりと確認してください。
お仕事の形態や、契約内容により
想定できるトラブルがあります。
「この条件で納品することにより、どんなことが想定されるか」
ということをしっかり念頭に置いておけば、
そのときの最適な判断をしていけます。
【法人の場合】
- 仕事のボリュームとスケジュールを確認
- 報酬と契約内容を確認(契約内容に見合う報酬か)
- 絶対に著作権を譲渡してはいけません。
- ポートフォリオやSNSに載せる旨の合意をとっておく
- 契約内容を書面で交わしておく(電子契約を推奨)
【一般消費者の場合】
- 相手の要望に応じて、契約内容と金額を提示する
- 相手の要望をさらに詳しくヒアリングする
- 納品までのスケジュールを提示する
- 著作権はイラストレーターである自分にあることを
明記した上で、契約内容を書面で交わす(電子契約を推奨) - ポートフォリオやSNSに載せることを最初に伝えておく
法人相手と個人相手とでは、
イラストの依頼から納品までのプロセスが
根本的にちがうので、臨機応変に対応していきます。
一方で、
- 絶対に著作権を譲渡してはいけないこと
- 契約内容を書面で交わしておくこと(電子契約を推奨)
- ポートフォリオ掲載に対し、合意をとっておくこと
に関しては常に共通する重要事項です。
ちなみに、
この記事で解説した
【個人向け】のお仕事の受注については
イラストレーターになって0から稼ぐ方法|主婦でも月収50万達成した私が解説で
まとめています。
個人向けのお仕事もやってみたくなったという人は、
新しい選択肢になると思うのであわせて見てみてくださいね。