近年は、起業したい、フリーランスとして働きたい、という人が増え、
技術を身につけるための社会人スクールや、起業する方法を教えてくれるビジネススクールやコンサルタントも増加傾向にあります。
しかし、ビジネススクールやコンサルタントにお金をかけて技術やビジネスノウハウを学んだとしても、結果を出せる人と、結果を出せず途中で挫折してしまう人がいます。
それはなぜでしょうか。
同じことを学んでも、このように結果のちがいが生まれる根本的な原因のひとつに、マインドセットのちがいがあります。
マインドセットとは、無意識の思考パターンや価値観のことを差し、
【成長型マインドセット】と、【固定型(停滞型)マインドセット】の2つに分かれます。
いわば結果を出せる人は【成長型マインドセット】であり、
挫折してしまう人は【固定型(停滞型)マインドセット】であると言えます。
ビジネスをしたい、起業したい、フリーランスで働きたい、と思っているなら
【成長型マインドセット】へ切り替えていく必要があるわけですが、
これは無理やりポジティブになろうとしていてもなかなか難しいものがあります。
マインドセットを切り替えていくには、脳のしくみを理解し、きちんと段階を踏んで変えていくことが必要になってくるのです。
この記事では、自分のネガティブな感情と向き合ってマインドセットを変えていく方法について解説していきます。
ネガティブな感情と向き合うことで、思考回路が明確になり、感情に振り回されるということがなくなります。
感情に振り回されないというのは、ビジネスに不可欠な成長型マインドセットに切り替えていく上でとても大切なことなのでぜひ実践してみてください。
マインドセットにおいて重要な不安の対処法については、フリーランスの不安の対処法【不安はあった方が良い?!】理由と活用方法でも解説しているので併せてご覧ください。
セルフコーチングで変える!マインドセットの作り方<ネガティブと向き合う方法>
ネガティブな感情は、思い込みや被害妄想、固定観念、先入観などの価値観・思考パターンが作り出していることが多いです。
この記事では、思い込みや被害妄想、固定観念、先入観の根源を探ることで、自分の思考回路を分解し、理解することでマインドセットを変えていく具体的な方法を解説していきます。
人の脳はそもそもネガティブな感情になりやすい性質があります。
ネガティブな感情を作っている原因は、思い込みや被害妄想、固定観念、先入観などの価値観・思考パターンによるものがほとんどです。
思い込みや被害妄想、固定観念、先入観は、自分の記憶から形成されていきます。
人は現実を、2割の「見たもの(五感で感じたもの)」 +8割の「情報(記憶)」から認識しています。
この「現実」の8割を占めている「情報(記憶)」は
「事実」だけではなく、思い込みや被害妄想、固定観念、先入観による価値観や思考パターン、そして「感情」から成り立っているのです。
これをフィルターと言います。
この思い込みや被害妄想、固定観念、先入観などのネガティブ要素を作りやすい思考をきちんと自分で認識し、思考回路を変えることで、ネガティブな考えをとっぱらってあげることができます。
それが【成長型マインドセット】へ切り替えるための一歩です。
マインドセットを切り替えることができれば、
目標を達成するための行動を加速することができ、結果的に成功へと近づいていくわけです。
価値観や思考パターン認識することによるメリット
◾︎ポジティブになれる
ほとんどの人は、無意識のうちにネガティブな考え方をしてしまっているのです。
まずは、それを自分で認識することが、ポジティブな方向に考えていくための第一歩です。
◾︎行動力が増す
ビジネスは行動量がすべてとも言われていますが、行動に移せず結果が出せないという人が多いのも確か。
行動ができない原因は、無意識下のネガティブな感情によるブロックにあります。
ネガティブな思考を手放すことで、ブロックを取り壊して行動力を増すことができます。
◾︎視野が広くなる
思い込みや被害妄想、固定観念、先入観などのネガティブ要素を作りやすい思考パターンは、
自分で自分の思考をがんじがらめにして、自分の常識では理解できないことを見ないようにしています。
このネガティブフィルターをとりはずすことで、頭がやわらかくなり、視野と可能性が広がります。
◾︎現実が変わる
現実は「情報(記憶)」が8割を占めています。
ネガティブな思考を分解することで「情報(記憶)」の中身が変わり、「情報(記憶)」が変わることで、自分の見ている現実が変化していきます。
マインドセットを切り替える初級編
それでは、マインドセットを切り替えていくための実践を行なっていきましょう。
ネガティブな思考パターンをあぶりだす
まずは、ノートとペンを用意してください。
ノートに書き出すことから始めます。
これは、パソコンでメモやエクセルなどに打ち込んでいくのはあまりおすすめしません。
「書く」という作業は1万種類の神経を使うので、脳が活性化し、より潜在的な思考に近づくことができます。
ペンで書くことがポイントです。
また、1枚の紙ではなく、お気に入りのノートを用意することをおすすめします。
思考パターンを分解していくのは1回では終わりません。
もちろん1回でも結果を得ることができますが、
続けていくことでさらに効果が出ることがわかると思います。
いま認識している現実を書き出す
ノートを用意したら、早速始めていきます。
最近いやなことや、悲しかったこと、悔しかったこと、ツラかったことはありましたか?
その出来事や感情をこまかに書き出していきます。
日記を書くようなイメージでかまいません。
すぐに思いつかない人は、今の自分の現実はどんなものか?を書き出していきましょう。
◾︎夫婦共働き
◾︎家族3人暮らし
◾︎いつも時間に追われている
◾︎太っている
といった感じで、思いつく限り書き出してみてください。
5分や10分など時間を決めて書き出してみると集中してたくさん書き出すことができます。
最近あったいやなことや、悲しかったこと、悔しかったこと、ツラかったことを書き出している人は罵詈雑言でもなんでもいいので、とにかく起こったこと全部と感じた感情をすべて吐き出すように書いてくださいね。
これだけでもすっきりとする効果がありますよ。
(エクスプレッシブ・ライティングというストレス緩和術です)
分解する
それを事実と感情と思考パターンに振り分けていきます。
色ペンを使っても良いですし、マル◯や四角□、波線などで分けても良いです。
ここで注意してほしいのが、思考パターンを事実だと見誤らないことです。
どういうことかというと、実際によくある例を出して説明していきます。
CASE1:私は太っている
例えば、「太っている」といった項目を書いたとします。
それは主観が入っている可能性があり、世界中の誰がみても100人中100人があなたが太っていると感じるかどうかはわかりません。
その場合はそうした思考パターンになっているということです。
もし、BMIの測定で「肥満」という結果が出たなら、「事実」です。
CASE2:仕事がうまくいっていない
「仕事がうまくいっていない」という項目を書いたとします。
それは、あなたにとって「仕事がうまくいっていない」と感じている状態であり、誰がみても「仕事がうまくいっていない」状態とは限りません。
もしかしたら、他の人から見たら、あなたは「仕事がうまくいっていてうらやましい」と写るかもしれません。
あなたはなぜ「仕事がうまくいっていない」と感じますか?
もしかしたら、あなたから見て「仕事がうまくいっている状態」の人と比べてそう感じているのかもしれません。
しかし、あなたから見て「仕事がうまくいっている状態」の人でも、本人は「仕事がうまくいっている」と感じていない可能性があります。
また逆に、あなたから見て、
あなたよりも「仕事がうまくいっていない」と思う人がいても、本人は「仕事がうまくいっている」と感じているかもしれません。
現実の感じ方は人それぞれで、自分が見たい現実を見ることができるのです。
つまり、「仕事がうまくいっていない」と感じているのは主観でしかないわけで、思い込みや先入観などの思考パターンということになります。
CASE3:私は嫌われている
例えば、ほかにも「職場の上司が私のことを嫌っていて仕事がやりづらい」と書いたとします。
しかし、職場の上司があなたのことを本当に嫌いかどうかは、本人しかわかりませんよね。
「ふだんの態度から、そう感じた」のであれば、どんな態度や言動に対して「嫌われている」と感じたのか書き出してみてください。
その書き出してみた上司の態度や言動と、あなたのことを「嫌っている」状態をくっつけて考えるのはなぜですか?
だって、もしかしたらその上司の態度や言動は、
もしかしたらあなたに期待しているのかもしれません。
あるいは、あなたが優しいからストレスのはけ口にしているのかもしれません。
もしくは、あなたが仕事ができる部下なので嫉妬している可能性もあります。
ほかにも、あなただけではなく、他の人にもそういった態度をとっているのかもしれません。
さらには、あなたはその上司が、その昔上司を傷つけた失恋相手に似ているから辛くあたっているのかもしれません(笑)
本当のことはその上司にしかわからないのです。
あなたからは何もわからないから、自分がこれ以上傷つかないように「上司は私を嫌っている」という思考パターンを生み出してしまったのかもしれませんね。
ポイント
このように考えると、あなたの書き出した現実はほとんど思い込みや先入観などの思考パターンによるものになっていませんか?
事実かどうかわからないネガティブなことに感情を振り回されることは、自分のチャンスや機会を失いかねません。
それよりも、自分の都合の良い捉え方をしてポジティブに考えることで道がひらけるなら、そのほうが断然良いですよね。
そしてこれが、成長型マインドセットに切り替える第一歩になります。
脳の使い方を変えるだけで、こんなに自分にとって心地の良い捉え方ができて、現実の見え方が変わってきます。
現実の見え方が変わると、脳はそれに合わせてどんどん自分に都合の良い状態を実現してくれるようになります。
マインドセットを切り替える中級編
なぜその思考パターンが生まれたのか考える
それでは、なぜその思考パターンになってしまったのかを考えていきましょう。
上記のCASE.1で例えると、なぜBMIが標準値なのに自分のことを「太っている」と思っていたのかということです。
CASE.3の場合であれば、なぜ上司の態度や言動から「私のことを嫌っている」という幻想を生み出してしまったかを考えていきます。
過去の記憶を探る
現実は、「見たもの(五感で感じたもの)」が2割、
「情報(記憶)」が8割で構成されています。
情報(記憶)の中に幻想となる原因の出来事や、見たり聞いたりして得た情報が入っています。
その情報(記憶)を毎秒休むことなく検索にかけて、目の前に起こっていることと記憶をくっつけて考えるように人の脳はできています。
それは、自分の身に起こった出来事かもしれないし、人から聞いたこと、目の前で起こっているのを見たこと、ネットやテレビなどのメディアの情報を採用してしまっているのかもしれません。
とにかく思い当たる節をつぎつぎに書き出していきましょう。
感情もいっしょに書き出していくのがポイントです。
例
CASE.1の場合 | ◾︎昔クラスメイトに太っていることをからかわれて傷ついた。 ◾︎テレビや雑誌に出ている女性はみんな細い。 ◾︎服を買うときはいつもLサイズだ。 |
---|---|
CASE.2の場合 | ◾︎周りの人がキラキラしているように見えて眩しい。 ◾︎周りの人の話を聞いていると、自分はまだまだだと感じる。 ◾︎周りの人ほど仕事を獲得できていなくて劣等感を感じる。 |
CASE.3の場合 | ◾︎いつも私には他の人より辛くあたられて悲しい。 ◾︎私は悪くないのに怒られることが多くて悔しい。 ◾︎あのときのミスを私のせいにされた!ムカつく! |
「この出来事が原因だ!」と確証は持てなくても大丈夫です◎
これかな?というレベルでどんどん書き出していってください。
書き出してみると気づくかもしれませんが、書き出した過去の記憶もネガティブな思考パターンによるものになっていることがあります。
その記憶の中でもとくに傷ついたり、心が揺さぶられたものをピックアップして、再度「なぜその思考パターンが生まれたのか」を書き出していきます。
感情を見る
このときのポイントは、感情にフォーカスすることです。
思い込みや先入観などの思考パターンは、感情が大きく動くことで作られます。
必ず感情とセットになっているはずです。
「悲しい」「悔しい」「イヤだった」「不快だった」「気持ち悪かった」「怖かった」など感情にフォーカスを当てて、なぜそのように感じたのか?ということを自分に問いかけてみてください。
なぜ自分はこのとき◯◯と感じたのか?
落ち着ける場所でリラックスして考えてみましょう。
「なぜ?」を5回 自分に問いかける
なぜ自分はこのとき◯◯と感じたのか?
を書いてみると、また別の出来事や感情が出てくるかもしれません。
それをまた、「なぜその思考パターンが生まれたのか」「なぜそう感じたのか」「なぜそう思ったのか」を自分に問いかけてみます。
5回くらい繰り返すともう出てこなくなるでしょう。
このときまだ出てくるなら続けても良いし、
5回繰り返す前に出てこなくなったら終わりにしても大丈夫です。
思考パターンを変える
そのときの自分の感情に共感してあげる
分解できたら、そのときの自分の感情に共感をしてあげましょう。
ただただ私はこのときこんな風に思っていたんだなあ、と
しみじみと味わって、そのとき感じた感情に共感してあげましょう。
「つらかったね」「さみしかったね」「大変だったね」「傷ついたよね」など共感してあげることで昇華する(=手放す)ことができます。
涙が出そうであれば止めないでください。
過去の自分を心の中で抱きしめてあげるように、共感して涙を流してあげましょう。
もう今は、そのときの状況でも自分でもありません。
過去に感じたネガティブな感情は手放して、他人のフィルターを採用しないこと。
自分の心地の良いフィルターで生きていくと、ポジティブになり、視野が広がるのを感じると思います。
何度もくりかえす
ふだんから、ネガティブな感情が湧いてきたら、
書き出して分解をするようにしましょう。
今の自分の状況をなんども分解するのもおすすめです。
繰り返すことで別の記憶が出てくるかもしれないし、
自分の意外な思い込みや価値観に気づくことができます。
自分でこんなふうに思っていたんだ。こんな価値観を持っていたんだ。ということがだんだんわかるようになってくると、目の前のネガティブな出来事に対していつも冷静でいられるようになり、自然とセルフコントロールができるようになっていきます。
マインドセットを切り替える上級編
過去のネガティブな記憶をポジティブに変える
直近で起こったネガティブな出来事ではなくても、
過去にあったイヤだった思い出、思い出したくないことがあったり、もう二度と会いたくないと思っている人がいたりしたら、それを分解していくのもおすすめです。
最初は思い出したくもないことを思い出すのは気が進まず、もしかしたら今でもつらいと感じることもあるかもしれません。
しかし、過去のネガティブな記憶をポジティブなものに変えるというのは、とても意味があることなのです。
マインドセットについて少しおさらいしますが、
マインドセットは生まれた時から積み重ねてきた経験による決まった思考パターンや価値観のことです。
直近の出来事だけを分解したとしても、今まで積み重ねてきた膨大な記憶による思考パターンや価値観はなかなか根本から変えるには難しい場合があります。
そこで強力な効果があるのが、過去のネガティブな出来事を分解することです。
「そんなの絶対に無理!」と最初は思うかもしれません。
すぐには無理でも、できそうなタイミングがあればチャレンジしてみてほしいのです。
例えば、過去にいじめをされていたことがあるとします。
あなたは深く傷ついた。相手を絶対に許さないと思った。
でもその経験があるからあなたは、人の痛みのわかる人間になれた。やさしくて、人の気持ちによりそえる人間になれた。
といったように、自分がその経験を経て、得ることができたものにフォーカスしてみます。
これは多少こじつけでもかまいません。
心から思っていなくても、ノートに「私はこの経験のおかげでいま◯◯することができている、ありがとう」と書いてみてください。
もう一度書きますが、最初は心から思ってなくても大丈夫です(笑)
なんども分解を試しているうちに、本当にそう思えるときがきたらめちゃくちゃ収穫です◎
目の前の景色がちがって見えるくらいに、ポジティブ思考になることができますし、
マインドセットもみるみる変わって行動を加速することができますよ。
まとめ
マインドセットを切り替える具体的な方法について理解できましたでしょうか?
最初のうちは少しむずかしく面倒に感じてしまうかもしれません。
人の脳は、思い出したくない記憶に関しては顕在化させないようにする性質があるので、
もとの思考パターンを生んだ記憶はどれなのか、分解するのに時間がかかる場合もあります。
一見すると、起業には関係ないように見えるこの作業ですが、
冒頭にも記述したようにマインドセットはビジネスをしていく上で土台となるものです。
このステップは起業して豊かなビジネスをしていくためには非常に大事なステップです。
もし、この記事を読んでいるあなたが、フリーランスで、もしくは起業して、
好きな仕事だけを好きな分だけして豊かに成功したいと思っているなら、
やってみて損はないと思います。
ただ、もっと仕事面にフォーカスした方法で、
マインドセットにおける不安の対処法についてを、フリーランスの不安の対処法【不安はあった方が良い?!】理由と活用方法でも解説しているので併せてご覧ください。